プレーンテキストで通じるかたはとても頼もしい

データをどこかの外部システムから持ってきて、手元でなんらかの処理を加えるということはとても典型的な情報処理の仕事です。そうして処理した結果のデータを、来たときと同様、次のシステムに渡すことになることもよくあります。入ってくるデータと出て行くデータがある、という当たり前のことを述べているだけなのですが、システム的な考え方をするためにはとても基本的な要素です。

で、データの形式は、その前後のシステムが要求する形に従って、CSV形式だったり、XML形式だったり、JSON形式だったり、もっと他の形式だったりするわけですが、例えば今挙げた3つの共通点は、プレーンテキストとして記述されていることだったりします。WordやExcelみたいな独自形式ではなく、プレーンテキストファイル。(今はWordやExcelも一皮むけばテキスト的なもので記述されているのですが、この話は複雑なので省略)

「ああなるほど、(プレーン)テキストファイルですね、そうですね」と同意してくれるかたに出会うと、「やった、この人となら仕事がはかどる」という気持ちになります。

プレーンテキストって何のことなのか、というのをイザちゃんと説明してみようとすると、思ったより複雑な、というか、コンピュータの根幹みたいなものに触れた話になってしまいがちではないですか。コンピュータがメモリに情報を持ったり、ディスクに情報を格納したりするイメージって、プレーンテキストのイメージにそもそもとても近いですから、無理もないことなんですけど。

今目の前の「メモ帳アプリ」なんかで開いているプレーンテキストのファイルが、コンピュータの内部でどんな雰囲気で扱われているか、というのが、たとえウッスラだとしても分かっているわけです。こういうかたには、プログラム的にデータを扱う勘どころをとても説明しやすいですし、なんならプログラムを書くのを学ぶことがあったとしても、きっとスムーズにやれるだろうとさえ思います。データの中に英数字と日本語の文字が混じっているときには、「文字セット」とか「エンコーディング」といった概念も使っていろいろ処理を間違えないようにしないといけないのですが、こういうあたりの知識も、すぐに吸収してくれるに違いありません。そのくらい、「プレーンテキストがなんだか分かりますよ」とおっしゃってくれる方には、筆者はとても頼もしいという気持ちを持ってしまうのです。

ITに直接関係のなかった職場の中で、何か職員の役に立つコンピュータ知識を教えてあげてくれ、と頼まれ、講習会を企画したことがあります。そこで筆者が選んだのは「テキストファイルについて」というタイトルだったのですが、当時のボスに「なんでそんな変なものをわざわざ教えるんだ」と疑問を呈されたことがあります。聴いてくれた方々には結構好評だったという手応えがあったし、今後もコンピュータを効率的に使おうとするなら重要な知識だと思うんだけどな…