QRコードが巨大になりがち

ウェブページへの誘導をさせるために、印刷物やポスターにQRコードを印刷してあるのを見ることがとても多いです。ほとんどのスマホではこれの読み込みができる手段が準備されていますから、とても便利であるのは間違いありません。

QRコードの複雑さには種類が設けられていて、レベル1という最も単純なものから、レベル40という滅多に見ないような巨大なものまであるようです。中に入れられる情報の量がこれによって変わりますから、誘導したいウェブページのURLが長い場合は、それに応じてQRコードも複雑なものを使わなくてはいけなくなります。大きなQRは、限られたスペースに押し込めれば点の並びも細かくなり、印刷の品質によっては、読み取りを不安定にしてしまう要因のひとつになります。

だからURLは短くシンプルであることが一般的に望ましいのですが、URLをどうシンプルな形に保つかというのはそれなりの知識がいることです。現在ブラウザのアドレス欄に表示されているURLを工夫せずにそのまま使うと、余計なパラメータ情報などが紛れ込んでいる場合もあり、長さの無駄が生じてしまいます。結果、細かいQRコードが発生します。

QRの細かさに影響を与えるもうひとつの要因は、「誤り訂正レベル」をどう設定するかです。QRはとても賢く作られており、部分的に汚れたり欠けたりしていても、ある程度、自動的に情報が復元できるように設計されているのです。筆者の個人的な意見ですが、ほとんどの使い道において、誤り訂正レベルはよほど低くしても問題はないと思っています。実際に汚れたり破れたりしたQRコードなんてほとんど見たことはないでしょうし、それで困ったなんていう例も聞きません。QRに誤り訂正機能があるのは、工場などの汚れやすい環境で使っても業務が滞らないように、ということが理由だと聞いたことがあります。それ以外の利用シーンなら、たぶん完全に汚れのないQRばかりでしょう。QRをシンプルにするためにも、誤り訂正レベルは無駄に高くしないようにしましょう。

(QRコードの中央あたりに、自由なマークを貼り付けたものをよく見ます。あれは実は、QRコード的には「汚れ」に相当します。あんな邪魔なマークが混入しても、QRは残った情報からなんとか元の完全な情報を復元している、ということが、実際は読み込み時に起こっています。一見してオシャレなものに見えますが、あれを読み込む側にとっては、読み込み失敗のリスクを増やされている「妨害」とも言えるわけで、あまり筆者はオススメしたくありません…)

QRを使って誘導したウェブサイトのURLが長くなってしまう(つまりQRが複雑になる)ことを防ぐために、「短縮URL」のような技術をうまく使うことも可能です。これはまた余分な技術的知識が必要になるので今は触れませんが、うまくやれば、読み込みがよりスムーズなQRを利用者に提供できるでしょう。

QRを生成するための技術は公開されていますから、ちょっとしたプログラムを通して簡単にこれを手元で作れるようなライブラリ(プログラム用の部品集)が色々と存在します。業務の自動化のターゲットとして「QRコードをラベル上に印刷する」といったタスクがある際も、簡単に対応できますよ。