圧縮ファイルの使い方
「ファイルを圧縮する」という言葉を割と誰でも使っているように思います。なんとなく視覚的にイメージしやすい言葉なのかもしれないですね。食パンみたいな物体があって、それが、「圧縮」という操作によって、カチカチに固められた小さなカタマリになってしまう感じでしょうか。(圧縮したファイルをもとの形に戻すことは一般に「展開」と呼ぶんですが、不思議と、「解凍」という呼び方をされることが多いですね。これも、実生活に即したイメージからそう理解したくなるんでしょう…)
ZIP(ジップ)という形式で圧縮するのが最近は圧倒的に主流で、他の形式を知っておく必要はあまりありません。LHAとかRARとか、実際には意外とたくさんあるんですけどね。
圧縮という操作によって、ファイルは、一般的に、より小さなサイズの別のファイルになります。これがなぜなのかを説明するのは簡単でありませんが、とりあえずは、そういう不思議なことが起こるんだなと思っておいてもよいです。または、なんとなく、「中身の無駄な部分をうまく省略しているらしい」くらいに考えても案外間違いではありません。
圧縮したファイルをさらに圧縮したらどうなるのだろう、という好奇心を感じるかも知れませんが、この場合、ファイルはそれ以上小さなサイズにはなりません。そうじゃなければ、無限に小さな圧縮ファイルが作れることになって、明らかに不自然ですもんね。
ほかにも、圧縮しても小さなサイズになりにくい種類のものが色々あります。大部分の画像ファイル、音声ファイル、動画ファイル、PDFファイル、また、WordやExcelのファイルなどなど。実は最近、圧縮して小さくできないファイルはけっこう主流だったりします。こういうファイルは、実は、内部的にすでに圧縮された形でデータを格納しているからなのです。中身の無駄がはじめから少ないってワケですね。
ファイル圧縮の操作によって、複数のファイルをひとつの圧縮ファイルにまとめてしまうことができます。内部的なフォルダ構造も保たれます。サイズが減ることよりも、この特徴のほうが利用価値が高いかもしれません。たったひとつのファイルを配布するだけで、たくさんのファイルを、ちゃんと内部的な配置もそのままに渡すことができるわけですから。電子メールにファイルを何個も添付して送ったら煩雑な感じになりますが、圧縮ファイルをひとつ添付するだけならスマートですしね。
もうひとつ、正しいパスワードを入力しないと中身を展開できないような仕掛けの圧縮ファイル、というものも存在します。これは、合言葉を知らない限り、圧縮ファイルを盗まれてしまっても大丈夫、という安心感を得るために役に立つときがあります。Windowsの標準機能だけではパスワード保護した圧縮はできないのですが、ちょっとした外部ツールを援用すれば、簡単にできるようになります。
総じて、「サイズを小さくしたい」「複数ファイルをひとまとめにしたい」「盗まれても簡単に中身が知られないようにしたい」という要望があるときには、圧縮ファイルを活用することを考えてみるとよいです。
なんらかのプログラムを書くことによって、圧縮ファイルの生成や展開を自動化されたプロセスの一部に組み込むことができますので、何度も同じようなファイル圧縮関連の操作をしなくてはいけなくなった場合は、そんな面倒もまるごと機械にまかせてしまうとよいです。