ラベル印刷にデータを使う
世の中には、あらかじめ一定の大きさにめくれるシール台紙が色々と売っていて、さまざまな用事にとても役立ちます。
たとえば仕事の場面だと、管理上の番号を印刷してコンピュータやバインダーに貼るとか、住所を印刷して郵送用の封筒に貼るとか、いくらでも使い方は思いつきそうです。
ラベル台紙のメーカーは、こういうラベル印刷を効率的に行えるように、用紙だけでなく、専用のラベル印刷用アプリケーションも別途販売・配布していることがあります。ユーザー自身で印刷のひな形をデザインして、別に準備したデータを差し込みながら、ラベル印刷が快適にできるようになっています。
こういうアプリを使うくらいで足りるならよいですが、印刷したい内容がすこし特殊になってきたり(変わったバーコードを印刷するとか、データ内容に従って違ったマークを印刷するとか)、用紙のサイズが一般に出回っているものとすこし違ったりとか、そもそもそういうアプリをのんびり使うヒマもなく大量に印刷したいとか、そういうちょっとしたカスタマイズが必要になったときには、お仕着せのラベル印刷アプリの機能ではうまくやれないことがあります。
こういうときは、専用のプログラムを書いてラベル印刷を行う価値があります。プログラムを書く、といっても大仰なものではなく、PDFを生成するためのライブラリなどを導入して、それを使って白紙のページ上に規則的に文字や線などを配置する程度のことで、それ自体はそれほど複雑ではありません。読み込んだデータを各ラベルのどの位置に、どんな大きさで、またどんな字体で印刷したいのかを決め、その設計に従ってプログラムを書いていくことになるでしょう。
ラベル台紙への印刷は、いったんPDFファイルを生成するのがよくあるパターンです。こうすると、いったんできあがったPDFを適当なビューアで確認してみて、問題がないようなら、ラベル用紙をセットしたプリンタに印刷させるという流れになります。印刷ミスをするとラベル台紙がもったいないので、印刷直前にできばえが確認できるのはいいことです。
ところで、ラベル台紙に内容を印刷するときは、レーザープリンタを使うのか、インクジェットプリンタを使うのか、あらかじめよく考慮しておくのがよいでしょう。1ページで何十枚もラベルが印字できるようなタイプのシートだと、今日は半分だけ使い、別の日には残った部分に印刷して使おう、といったシーンが出てくるかもしれません。無駄をなくすためにはよいことですが、レーザープリンタにラベル台紙を通すと、もしそこでラベルをすでにめくった場所があるときには、熱で糊の部分がにじみ出てしまうことがあります。結果としてプリンタの内部に紙が貼り付いてしまい、修理が必要な状態になってしまいます。レーザープリンタにラベル台紙を通していいのは一度だけ、と思っておくのが安全です。一度にラベルをたくさん出さないような使い道なら、インクジェットプリンタを採用する方が、無駄なく台紙を使えてよいかもしれません。