ファイルサイズの感覚

ファイルの大きさについてそれほど意識したことがないという方は、もちろんたくさんいます。それほど気にしなくても、コンピュータ上でやるような文書作成や表作成には支障がありませんので。でも、扱う情報によっては、思いがけず大きなサイズのファイルが発生して、格納する場所がなくなってしまうとか、メールで送ろうとしたら失敗するとか、そういう事態に遭遇することも出てくるでしょう。

パワーポイントのファイルを編集していると、コンピュータの動作がやたらと遅くなって使いにくくなってしまうんだ、と相談を受けて、様子を見せてもらいに行くと、とても巨大な写真を複数貼り付けて使っていたせいだった、ということが割とあります。パワポ資料そのものは10ページそこそこなのに、そのファイルが100MB(メガバイト)とかそれ以上とかになっているようなら、これは何かおかしいな、という手がかりになるでしょう。

そんなとき、「いや、大きな写真なんて使ってないよ」と言われることもありますが、試しに、ワンポイントカットのつもりで配置されているらしい風景写真を、めいっぱい拡大してみると、いくら拡大しても、木の葉の一枚一枚がなおクッキリ判別できるほどの高精細な写真のままだった… とてもよくある、オフィスでの一シーンです。パワポには写真の解像度を下げながらサイズを縮小して使う機能がありますから、そういうのをお教えすると、ファイルサイズが劇的に小さくなって、それでもなお、資料の見た目には変化がほとんどありません。PCの動作も軽く保てますし、いいことばかりです。

コンピュータの性能が上がって、大きなファイルの写真・音声・動画の資料が比較的に楽に扱えるようになりましたので、普段それらの実際のサイズに気づかなくても済んでしまうのです。でも、あまり無頓着でいると、必要以上にたくさんのハードディスク容量を消費することになってしまいますし、複数人で共有して使うような格納場所があるようなときも、より大きなサイズのストレージ装置でないと足りなくなり、余計な予算がかかってしまう、といったことも現実に起こりえます。

時々、扱っているファイルのサイズを見て、「こういう種類のファイルは大体こんな大きさになるのが普通なんだな」と思っておくクセをつけると、コンピュータを扱うセンスが向上する… と思います。あんまり神経質になって何もかも確認する必要なないですけれど。

ちなみに、世間で当たり前に手に入る、1TB(テラバイト)のポータブルハードディスクにどのくらいの音声を格納できるのか、ちょっと計算してみたことがあります。MP3形式などに圧縮した音声なら、1分あたり1MBくらいで音質に不満ないでしょうから、ざっと100万分。ひとりの人間が一日あたりに発声するのって、よほど多く見積もっても10時間は超えないと思うのですが、この仮定だと1666日、4.5年分の録音を行うことができるらしいです。日記的な録音を一日あたり30分だけ行って保存するとしたら、30000日以上、すなわちほとんど一生分の口述日記を保管しておけることになりますね。

全然お遊びで計算しているだけですが、なんとなく、1TBのディスク装置の保存容量について、なにか感覚がつかめるような気がしませんか。